• 検索結果がありません。

全データ CSR活動報告アーカイブ | CSR(環境・社会) | 三井化学株式会社

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "全データ CSR活動報告アーカイブ | CSR(環境・社会) | 三井化学株式会社"

Copied!
34
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

CSR報告書2010について

『CSR報告書2009』に寄せられた社内外の声

皆様からいただいたご意見も参考に報告の改善へ

●CSRという観点から、重厚であることは大切とは思いますが、Webでも同様の、かつ詳細な内容が載っているため、もっと噛み砕 いて、差別化を図っていただければと思います。

●法律遵守など当たり前のことが書いてありますが、もっと積極的に社会や環境活動に取り組んでいただきたいです。化学品という と、環境に負荷がかかる石油由来品のイメージです。そのイメージをもっとよくするのは大きな課題だと思います。

●企業も社会への責任を持っていて、環境問題を考えながら運営しているのはいいと思います。特にCO2排出量削減などの環境問 題の取り組みを期待しています。

アンケートに寄せられたご意見・ご感想(一部)

●冊子・Webの棲み分け、ページ数削減で見やすさが改善 ●「労働災害」「安全衛生」目標未達の事実の掲載と反省の姿勢

は評価

●悪化する経済状況下での目標達成への遵守が重要

●3軸経営には、社会・顧客のニーズをつかみ、活動を通して応 えることが重要

●CO2固定化、バイオ合成技術などは、次年度以降も進捗報告 を期待

●労働安全の課題への対応についての詳細な記述が必要 ●長期的なGHG削減のシナリオが必要

●化学物質管理強化、非化石原料活用の将来予測と戦略が必要 ●海外連結子会社における取り組みの開示が必要

『CSR報告書2009』にいただいた第三者意見(要約)

カール ハインツ フォイヤヘアト氏

(神戸山手大学 教授) (株式会社 日本総合研究所 創発戦略センター 主席研究員)足達 英一郎氏

冊子とWebの特性を活かして、

三井化学グループのCSR活動をご報告します。

 本報告書は、社内外の皆様からいただいたご意見など

も参考に次の編集方針で編集しました。

 ステークホルダーの皆様との対話を図るために、CSR の3つの側面(経済・環境・社会)のうち、主に環境および 社会に関する三井化学グループの取り組みを紹介してい ます(経済側面はアニュアルレポートをご覧ください)。  主な構成は、報告ページを「経営とCSR」「社会とのか かわり」「環境とのかかわり」の3部構成とし、「特集」では、 注目の革新技術に焦点を当て、これまでのCSR報告書で 掲載した革新技術の進捗や新たな展開について紹介して います。Webを詳細版として詳細データを掲載し、冊子は ダイジェスト版とし読みやすさ、重点志向、優先順位付け を重視しました。また本報告書では、特に労働安全、環境

『CSR報告書2010』の編集方針

保全、化学品安全の取り組みについて詳しくご紹介してい ます。Webサイトも合わせてご覧ください。

三井化学にとっての重要度 高い 高い

三井化学コーポレートサイト

ダイジェスト版

詳細版 Webサイト CSR

(環境・社会) 冊子

(3)

CONTENTS

『CSR報告書2010』への第三者意見

報告書の対象範囲

『CSR報告書2010』への第三者意見は、足達英一郎氏、高 岡美佳氏よりご意見をいただき、Webサイトへ掲載いたします (2010年7月を予定)。

株式会社 日本総合研究所 創発戦略センター 主席研究員

足達 英一郎氏

立教大学 経営学部 教授

高岡 美佳氏

CSR報告書2010について ………

2

CONTENTS ………

3

トップメッセージ ………

4

下関三井化学 三フッ化窒素充填場事故報告 ………

6

三井化学グループの概要 ………

8

三井化学グループの環境配慮型製品 ………

10

特集 微生物が化学品をつくる 進捗報告1 化学的CO2固定化 進捗報告2 植物由来ポリウレタン

経営とCSR

 新たな成長軌道に向けて ………

16

 三井化学グループのCSR ………

18

 マネジメント体制………

20

社会とのかかわり

 ステークホルダーとともに ………

22

 社会貢献活動 ………

25

 安心・安全の取り組み ………

26

環境とのかかわり

 事業活動と環境負荷 ………

28

 環境負荷低減への取り組み ………

29

 資源の有効利用 ………

31

マテリアリティ報告 ………

32

『CSR報告書2009』アンケート集計結果/ 編集後記 ………

33

■対象期間

2009年度(2009年4月1日から2010年3月31日まで。た だし、一部データについては2010年4月以降の活動も含ん でいます)。

■データの集計範囲

三井化学を基本とし、関係会社を含む場合は本文に記載しま した。

■参考にしたガイドライン

グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI) 「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン2006」

環境省「環境報告ガイドライン2007年版」 環境省「環境会計ガイドライン2005年版」

■発行時期

2010年6月(次回予定:2011年6月)

CSR(環境・社会)報告>>CSRナビ

冊子との連動内容も含めたWebサイトの掲載内容については、 Webサイト内「CSRナビ」をご覧ください。

CSR(環境・社会)報告>>社内外の声を活かします 本報告書への第三者意見を掲載しています。

CSR(環境・社会)報告>>GRIガイドライン対比リスト 環境・社会・経済項目について、

GRIガイドラインとの対照表を掲載しています。

CSR Webサイト

http://jp.mitsuichem.com/csr *Webサイトでは、CSRニュースの掲載など都度更新していきます。

(4)

「安全最優先」の再徹底に向けて

 2009年11月4日、当社グループ企業であります下関 三井化学株式会社(山口県下関市)におきまして、火災を ともなう爆発事故を引き起こしました(P6に原因、経過など を詳報)。お怪我をされた方や家屋などに直接被害を受け られた近隣の皆様はもとより、地域社会や関係官庁の皆 様、お客様をはじめ、社会の皆様に対しまして深くお詫び 申し上げます。

 2008年度、労働災害削減目標が未達に終わったこと を受け、2009年度においては安全の確立に向けた取り 組みのあり方を抜本的に見直す、としていた中での発災 であり、慙愧に堪えません。

 ものづくりを業とするものにとって、安全はその存立の 絶対的な基盤です。再発防止に向けた取り組みを、決し て製造現場任せにするのではなく、文字通り全社各層の 社員一人ひとりが事故の直接・間接原因への関わりを「わ がこと」として真剣に考えることを通じ、グループを挙げ 「事故ゼロ」目標の必達に取り組んでまいります。

3軸経営推進と2009年度実績

 当社グループでは、社会と企業双方の持続的発展を実 現すべく、「経済軸」「環境軸」「社会軸」それぞれの長期 目標を設定しています。

 2009年度、経済軸目標につきましては、徹底的なコス ト削減、販売努力により前年度以来の最悪期は脱し、下 期は黒字化を達成いたしましたが、成長軌道への回復を

 当社は、2008年1月に国連グローバル・コンパクトに署名しました。これは、 責任ある企業市民としてグローバルな課題を解決していこうという趣旨に賛同 したためです。今後ともグローバル・コンパクトの10原則を支持し、人権や環境 などへいっそう配慮するよう取り組んでいきます。

国連グローバル・コンパクトを支持しています

三井化学株式会社 代表取締役社長

トップメッセージ

(5)

目指した取り組みは未だ道半ばにあります。

 また、社会軸目標では、安全面で重大な課題を残した 一方、環境軸目標では、「GHG(温室効果ガス)削減」「産 業廃棄物削減」などにより各生産プロセスの地道な見直 しを続け、2008年度に引き続き目標を達成しています。

2010年度「勝負の年」と位置付け、

積極果敢に挑戦

 当社グループが社会にとって欠かせない存在であり続 けるために、強固な経済軸確立は不可欠です。「国内勝 ち残り」「海外での事業拡大」に向けた戦略遂行により 2010年度業績は確実な黒字達成を見込んでいます。  この1年を、環境激変を乗り越え、2009年末に策定し た成長戦略による新たな成長軌道への発射台とする「勝 負の年」と位置付け、迅速かつ積極果敢に挑戦します。  また、2010年度より「安全最優先文化の徹底」「環境 経営への取り組み強化」「社会・お客様とのコミュニケー ション強化」という3つの課題を「CSR重点課題」として定 めるとともに、全社一丸となったCSR推進体制の強化を 図り、この取り組みを強力に推進します。(参照:P18「三井 化学グループのCSR」)

化学の「本領」を発揮した、

環境経営への取り組み強化

 当社グループでは、2010年度のCSR重点課題のひと つである「環境経営への取り組み強化」として、化学企業の

強みを活かした創造性溢れる活動を引き続き展開します。  当社は、CO2など温室効果ガスの排出が多い事業構造 にありますが、一方で、非化石原料を活用する触媒・バイ オテクノロジーなど、この問題を広範かつ抜本的に解決 するポテンシャルを豊富に有すると自負しています。  すでに「CO2固定化によるメタノール合成」は、2009 年度を通じて実証試験に成功し、「バイオテクノロジーに よる次世代発酵技術」でも新しい循環型社会を目指す取 り組み成果を着実に収めつつあります。

 また、REACHをはじめとする化学物質の世界的な規 制動向に対応し、地球環境との調和を積極的に実現する ため、今年度より化学物質を総合的に管理する体制を構 築し、全社総力を挙げて取り組んでいきます。

社会の皆様とのコミュニケーション

 今般、皆様にお届けする「CSR報告書2010」は、2010 年度CSR重点課題のひとつである「社会・お客様とのコ ミュニケーション強化」の重要な媒体のひとつと位置付け ています。

 私たちは、「社会・お客様とのより良いコミュニケーショ ンとは、当社グループ社員の一人ひとりが真剣に皆様の 声に耳を傾け、全力で応えることによってのみ実現可能」 であることを肝に銘じ、経営陣から第一線の社員まで、全 員一丸となって邁進する所存です。

 皆様の厳しくも率直なご意見こそが私たちの成長の糧 となります。ぜひ忌憚ないご意見をお寄せください。

(人権) 企業は、

原則1 国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、 原則2 自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。 (労働基準)

企業は、

原則3 組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、 原則4 あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、

原則5 児童労働の実効的な廃止を支持し、

原則6 雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

(環境) 企業は、

原則7 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、 原則8 環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、 原則9 環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。 (腐敗防止)

企業は、

原則10 強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に     取り組むべきである。

グローバル・コンパクト10原則

(6)

下関三井化学

三フッ化窒素充填場事故報告

 2009年11月4日(水)に、下関三井化学株式会社(当社の子会社)の三フッ化窒素製造設備内充填場におい て発生した火災・爆発事故について、被災された方々、地域居住の皆様、関係ご当局の皆様、お客様をはじめ、 多くの方々に多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしましたことを改めてお詫び申し上げます。

 現在も警察および諸官庁の調査などが継続されている状況ですが、三井化学、下関三井化学の両社および 社外の学識経験者で構成される合同事故調査委員会において事故原因と再発防止対策を検討し事故報告書 を作成いたしました。この度、事故報告書が関係ご当局に受理されましたので推定事故原因と再発防止対策に ついて下記のとおり報告いたします。

 三井化学および下関三井化学は、今回の事故の重大さを厳粛に受け止め、改めて全社一丸となって安全管 理を再徹底するとともに、再発防止対策および全従業員のさらなる安全意識の向上に全力を挙げて取り組んで まいります。

*3ボンベ元弁:チューブトレーラーの各ボンベと接続配管とを遮断する弁。

午前中 17 本組チューブトレーラーへの充填作業 を実施し、午前中に完了していた。

13時20分頃 充填した NF3 の出荷分析を行うため、17 本組チューブトレーラーのボンベ元弁*3

開放操作を実施したところ作業者が熱風を 感じ被災した。

13時 23 分 火災報知器およびガス検知器の発報により 総合計器室でも事故を確認し関係部署に 連絡。

13時 24分〜 自衛消防隊出動。対策本部設置。 充填コンプレッサー停止。 関係諸官庁に連絡開始。

13時 45分 充填場にて爆発が発生、工場構外まで爆風 および飛散物(スレート、断熱材、ボンベ の一部など)による多大な被害をもたらした (この爆発は、17 本組チューブトレーラー が爆発したものではなく、同一充填場に保 管されていた 8 本組チューブトレーラーの ボンベが爆発したものであること、また構外 への飛散物は 8 本組チューブトレーラーの ボンベの一部であることが後日判明した)。

13時 50分 充填場にて 2 回目の爆発が発生。

1.事故の概要

(1)発災設備名称

 三フッ化窒素(NF3*1)製造設備 F3 / F4系充填場

(9系列あるNF3製造設備の内の2系列)

※ 本充填場は、製造工程にて製造されたNF3ガスをチューブトレー ラー*2やボンベに充填するための設備です。

*1NF3の主要用途:半導体製造装置内部に付着する物質の洗浄用ガスなど。 *2チューブトレーラー: 複数の大型ガスボンベを一台の車両に積載したガス輸

送用車両で、各ボンベを接続用配管で接続している。

フッ化水素 ン

NF3充填場 NF3製造工程

ー ト ー ー

発災場所 三フッ化窒素(NF3)製造・充填工程

(2)11月4日の事故発生状況

(7)

2.負傷者、近隣家屋損傷等の状況

(2010年4月22日現在)

 次のように、地元居住の皆様をはじめ多くの方々に多 大な被害を与えてしまいましたことを重ねてお詫び申し 上げます。

(1)負傷者

・ 地元居住の皆様 9名( 打撲、切り傷、のどの痛み、 耳鳴り、めまいなど) ・協力会社員   1名(手、顔に1度の火傷、打撲) ・社員      1名(擦り傷、捻挫、肋骨ヒビ)

  〈回復状況〉 8名は治療を終了。地元居住の方3名が 通院継続中。

(2)物的被害

・家屋損傷 100軒  ・車両損傷 36台

  〈補修状況〉 家屋、車両ともすべて補修・弁済完了。

3.推定事故原因

 合同事故調査委員会において、次のように事故原因を 推定し、再発防止策を立案しております。

(1)火災発生原因

 17本組チューブトレーラー充填終了後、NF3ガス分 析のためすべてのボンベ元弁を一斉開放した際に、各ボ ンベ間の圧力の違いにより高密度・高流速のNF3が元 弁を通じて移動し、流動時の摩擦現象(流体摩擦)により 元弁の温度が上昇したと考えられます。元弁の温度上昇 により元弁の安全栓*4から高温で溶融した金属とともに

元弁で加熱されたNF3ガスが噴出、溶融状態の金属が 着火源となり、周囲の塩ビ製カーテン(難燃性)などに着 火、火災を発生したものと推定されます。

※ NF3は支燃性のガスであり、常温では安定ですが、加熱状態あ るいは放電下では活性を有しています。

*4安全栓: 高温によりボンベ内部圧力が上昇した場合に封入された可溶合金が 溶融し、内部のガスを逃がす安全装置。

4.再発防止対策

 F3 / F4系以外の7系列については今回の推定原因 に基づき、次の対策を実施いたします。また今回の事故 を発生させたF3 / F4系については、設置場所も含め 別途対策を検討いたします。

(1)火災発生防止

・ 17本組チューブトレーラー充填方法の変更(ボンベ 間の差圧発生を回避するため、個別充填から同時充 填に変更)

・異常発生時の緊急遮断システム強化 ・異常の早期発見のための監視システム強化

(2)火災延焼防止

・充填場内の区分けと可燃物の除去

・チューブトレーラー充填設備に散水設備設置

 これらの具体的な対策実施については地域居住の皆 様に十分にご説明しご理解を賜るとともに、監督官庁の ご指導を仰ぎご許可をいただいた上で、操業再開させて いただく予定です。

 また上記の対策に加え、再発防止対策を反映した作 業要領書の改定や、事故原因および再発防止対策の教 育などを行い、さらなる安全意識の向上に取り組んでま いります。

(2)ボンベ爆発・飛散の原因

 17本組チューブトレーラーにおいて発生した火災が、 同一充填場内に保管されていた8本組チューブトレー ラーのタイヤに延焼、タイヤ直上のボンベを加熱したも のと思われます。これにより、ボンベ内部で温度が上昇 したため、NF3とボンベ材料とが反応し、ボンベ内部圧

ボンベ間に充填 力 がある状 で 元弁を一 開

ボンベ元弁から 外部 高 流れが発生

元弁内流体 による温度上 ・流緔表面の ン が反応 ・ ート部のフッ素 が倸焼 ・安全栓のフッ素 が倸焼

安全栓

発 災

ボンベ元弁 ボンベ 続配管

の流れ方向 (流緔)

安全栓 発災メカニズムの推定

力が急激に増加するとともに、加熱によりボンベ材料の 強度が低下した結果、爆発したものと推定されます。

(8)

■三井化学拠点

●連結子会社 ▲持分法適用会社

20,000

10,000

5,000 15,000

0 (億円)

(年度) 12 077 09 17 867 07 14 876 08

(億円)

(年度) 営業利益  経常利益  当期純利益

-1,000 -500 0 500 1,000 08 455 508 952 07 772 661 248 09 95 131280 -1000 -800 -600 -400 -200 0 200 400 600 800 1000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 40.0 30.0 20.0 10.0 0 07

(億円) (%)

(年度) 総資産  純資産  自己資本比率

08 09 11 889 3 981 12 381 4 190 14 692 5 642 29.4 30.5 34.0 5000 10000 15000 20000 10 20 30 40

三井化学グループの概要

三井化学グループ 、人々の生活に新たな かさをつくり上 るた に、

「 新を 求し、化学の からで夢をかた にする企業グループ」を目指しています。

グローバル展開

インド

 2008年4月にインドのデリーに当社現地法人を設 立しました。インド市場は高い成長が見込まれ、自動車 分野を基軸にビジネスチャンスが拡大しています。自 動車・産業材分野に用いられるエラストマー製品を中 心に、当社が有する機能材料製品の市場開士を積極的 に進めています。また、グ

ループ会社のプライムポ リマーも自動車用ポリプ ロピレン材の拠点としてコ ンパウンド工場を建設し、 2009年6月に商 業 運 転 を開始しました。 インドに現地法人を設立

上高 営業利益・経常利益・便期純利益 総資産・純資産・自己資本比率

中国

 当社と中国石油化工 有 公司(以下シノペック)は2009年12月、フェ ノールおよびアセトンについては「新設プロジェクトに関する覚書」を、EPT(エチ レン・プロピレン・ジエン共重合ゴム)については「合弁事業推進のためのフィー ジビリティースタディに関する意向書」を締結しました。

 当社とシノペックはフェノールおよびアセトンの新たなプラント建設により、原 料から紥導品(ビスフェノールAなど)までの一

競 力を持った世界有数のフェノールおよびアセト ンのコンプレックスが実現できます。一方、中国で の自動車産業の急速な拡大を背 に大幅な増加 が見込まれるEPTの 要を満たすため、双方のそ れぞれの強みを活かし、国際競 力のあるEPT合 弁会社の設立を目指します。

中国石紎化工 有 公司との 力関係強化

シノペックとの調 式 Mitsui Prime Ad anced

Composites India社

(9)

■三井化学拠点

●連結子会社 ▲持分法適用会社

社名      三井化学株式会社

本社       105-7117 東京都 区東新 一奐目5 2 絾シティセンター

代表取締役社長 田中 一

資本      125,053百万円

従業員      連結:12,892人(2010年3月31日現在)

1,000 800 600 200 400 0 08 09

07 (年度)

406 810

381491 421

847 (億円)

研究開発費  設備投資額

0 200 400 600 800 1000 研究開発 ・設備侳資

3,500 2 832 3 201 2,000 1,500 2,500 1,000 500 0 2 137 07 (億円)

(年度) 08 09 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 3,000

外連結子会社の 上高

2,500 3,000 2 614 2 434 1,500 1,000 2,000 500 0 2 719 07 (人)

(年度) 08 09 0 600 1200 1800 2400 3000 外連結子会社の社員数

国内製造 点  鹿島工場、市原工場(茂原分工場を含む)、 名古屋工場、大阪工場、岩国大竹工場 (俨山分工場を含む)、大牟田工場

研究所    墭ケ センター

国内 点 本社、支店(名古屋、大阪、 岡)

外事 所  北京

関係会社    連結子会社 国内:29社 海外:37社 持分法適用会社 国内:21社 海外:9社

 ブラジルは、経済成長奎しい新興諸国の中でも目覚ましい 成長を続けており、特に世界最大の食肉・農産物の輸出国、 世界第6位の自動車生産国であり、包装材・自動車材分野を 中心に大きなビジネスチャンスが期待されています。  当社グループは、主に包装材・自動車材分野で使用される 高機能樹脂であるアドマー®、ポリプロピ

レン自動車材において世界トップレベル のシェアを持っており、倕 、特にブラジ ルでのいっそうの拡販を図っていきます。  また、既販売製品の拡大のみならず、 ブラジルで んなバイオ産業など倕 で の新たなビジネスチャンス発掘のための 市場調査にも取り組んでいきます。

ブラジルに現地法人を設立(2010年3月) 会社概要

日本

 当社と出光興産(株)は、2009年5月に合意した 「千葉地区における生産最適化」に関し、その第1 ステップとして両社のエチレン装置の運営統合につ いて検討してきましたが、2010年4月に両社 半出 資による有 責任事業組合( P)を設立しました。  今後、原料選壪・装置稼動の最適化や絾分の高付 加価値化、共同合理化投資など、シナジーを徹底的 に追求し、日本トップレベルの競 力を持つエチレン センターの構築を目指していきます。 また、今回の エチレン装置の運営

統合に絾まることなく、 リファイナリーなどへ の生産最適化領域の 拡大を検討し、合理化 効果のさらなる最大化 を図っていきます。

出 産(株)とエチレンの 営統合に合意

入居予定ビル P調 式

(10)

三井化学グループの環境配慮型製品

三井化学グループが製造している主な環境配慮型製品の特徴、環境配慮のポイントなどをご紹介します。

自動車の軽量化を可能にする材料

環境保全に貢献する

プラスチック包装材

オーラム®

自動車のオートマチックトラン スミッションに金属の代替とし て使用され軽量化に貢献してい ます。

アドマー®

バリヤー性樹脂との張りあわせ によって、燃料タンクからの燃 料漏洩防止、タンクの軽量化に 貢献しています。

タフマー®

自動車用プラスチック材料の衝 撃性改良により、金属の代替と して使用され軽量化に貢献して います。

エボリュー®、エボリュー®H エボリュー®・エボリュー®Hは、従来品に 比べ、製造工程での排出削減(30%)と 強度向上・薄肉化実現による使用量削減 (10 〜 30%)を合わせ、40 〜 50%の

CO2排出削減を実現しています。

パルシール®CB

複数の生分解性樹脂を組み合わせるこ とで、生ゴミ処理機内で速やかに分解し ます。生ゴミをパルシール®CB製の袋 に入れ、生ゴミ処理機にそのまま投入 でき、衛生的かつ簡便に処理可能です。

ミラストマー®

自動車内装材(ドアトリム、イン パネなど)に使用され軽量化に 貢献しています。

アドブルー®(200リットルプラスチックドラム) トラック・バスなどのデイーゼル車両から 排出されるNOx(窒素酸化物)を処理する 「尿素SCRシステム」に使用され、省エ

ネ、環境汚染防止に貢献しています。

大型ディーゼル車の

NOx還元剤

1

2 3

1

2

3

※ アドブルー ®は、 ドイツ自動車工 業会の登録商標 です。

(11)

太陽電池部材

モノシラン

太陽電池用アモルファスシリコンの原 料として使用され、自然エネルギーの 利用に貢献しています。

ソーラーエバ®

太陽電池の電池セルを保護するため 基盤全体を包む高耐久性のプラス チックシートとして使用されています。

風力発電機などに

使用される材料

ルーカント®

自動車用など潤滑油に使用され、省 燃費、潤滑油の長寿命化に貢献して います。さらに風力発電機のギア油 ベースオイルの長寿命化を可能にし、 環境負荷低減に貢献する製品です。

環境への負荷が

少ない殺ダニ剤

コロマイト®、ミルベノック®製品 化学構造中にハロゲンを含まず低薬量で 効果を示す、環境への負荷が小さい園芸用 殺ダニ剤です。また、微生物由来なので、特 別栽培農産物の農薬使用回数において、 化学合成農薬としてカウントされません。

植物由来原料を

使用したポリウレタン

エコ二コール®

植物由来原料を使用したポリウレタ ンで、家具、寝具、自動車のシートクッ ションなどに使用されています。 (参照:P15「進捗報告2 植物由来

ポリウレタン」)

5 6 7

4 省エネ

環境汚染防止

リデュース

非化石原料

自然エネルギー

5

6

7

4

(12)

 お やみそ、納俍、チーズ、妆物……。私たちの食生活 を豊かにしてくれるこれらの食品は、発酵という微生物の 作用によってつくり出されています。 伝子組み換え技術 を使うことで、食品だけでなく様々な化学製品まで、効率 よく生産することが可能になってきました。

 「化学産業に欠かせないものに触媒があります。触媒 とは、いわばほしいものを効率的につくる道具。微生物 の持つ発酵という働きを触媒として利用するのが、生体 触媒の考えです。我々が手掛けている生体触媒は、目的 の化学品だけを選壪的につくり出すとともに、これまでの 触媒ではできなかった化学品をつくり出す特性を合わせ 持っています」。そう説明するのは触媒科学研究所生体 触媒技術ユニットの和田光 です。三井化学では1976 年から 伝子組み換え技術などを活用したバイオテクノ ロジーに取り組み、これまで8品目の製品化に成功してい ます。この経験を通して、三井化学は強い生体触媒技術 をつくり上げました。

 生体触媒には2つの手法があります。従来一般的 だった酵素法では、大奦 などの微生物につくらせ た酵素(タンパク質)を取り出して触媒として使いま す。三井化学では、すでにアクリルアミドを酵素法に よってつくり出す技術を実用化しています。これに対 して、発酵法は生きている微生物をそのまま触媒と して使います。例えば、グルコースからエタノールに なるまで、細 内で10の酵素が働いています。こう した複 なプロセスを酵素法で行うのは難しいので す。発酵法では、培絋液の中で生きた微生物がグル コースを にしながらどんどん増えていき、目的とな る化学品をつくります。

 「エタノール以外にも微生物の力でいろいろな 有用なものを効率よくつくれないのか。残念なが ら、そういう微生物は自然界にはなかなか存在し ません。それなら、微生物そのものを変えてしまお う、 伝子組み換え技術を使って、従来の発酵法

では生産できなかった化学品を効率よくつくる微生物を つくり出そうというのが、次世代発酵技術の考えです」と 和田は説明します。

 次世代発酵には4つの基盤技術が必要となります。ひ とつは有用な酵素をつくる 伝子を持った微生物を探す 技術、2つ目はその微生物から取り出した有用 伝子を 大奦 に組み込むと同時に不

用な 伝子を破壊する技術、3 つ目は必要とする酵素の性能 を向上させる技術、最後に発 酵 内の発酵条件を最適化す る技術です。「この4つがそろっ てようやくこの技術が完成する のです。当社はこのうち、2 目と3 目の技術に特に強みを 持っています」(和田)

生きている微生物を

に使う技術

バイオコンソーシアムの立ち上げ

触媒科学研究所 生体触媒技術ユニット 課長 主席研究員

和田

非化石原料活用技術開発の戦略

特集 微生物が化学品をつくる

三井化学のグランドデザインに掲げる柱のひとつ「非化石原料活用技術の開発」。 りある化石資源原料から再生可能 な原料へ。そのカギを るのが微生物の力を最大 に活かす「生体 」、そして「 代発 技術」です。

非可食資源 廃俅クロー )

ポ フ ン、フ ール類、生分解性ポ ー

質材料

O O CH2OH

HOOH OH

O CH2OH

CH2OH

HO

OH CH2OHO O

OH OH

O O CH2OH

OH OH

グルコー O

CH2OH

OH OHOH HO

OH HOOC

O HO HO

OHOH OH

クロー

/D 値 二価フ ール前 体 イ プロパ ール

セルロー

(13)

条件を整えて、効率よく低コス トでグルコースをつくり出すこ とがテーマです」と 墴は語り ます。

 セルロースは大気中のCO2 が太陽エネルギーを使って固 定されたもの。そのセルロース を分解したグルコースからつく られる様々な化学製品は、使

用後に燃やしても元のCO2に るだけなので、結果的に 大気中のCO2は増えません。「そればかりか、化学製品と して使用されている間は、大気中のCO2を固定している ことになり、地球温暖化の原因となるCO2削減にも大い に貢献します」(和田)

 「当社は次世代発酵技術で世界のトップクラスにあると 自負しています。しかし、実用化までには、精製技術、廃水 処理技術などの残課題を解決しなければなりません。また 資源の安定的な調達は別の課題です。課題をすべてクリ アするために、生産技術センターなど、いろいろな部門との 協力が欠かせません。現在、茂原にあるバイオエンジベン チ(試験設備)にて、スケールアップのための中規模試験を 実施しており、1日も早い実用化を目指します」。和田 は、大奦 の持っている 在能力を感じると語ります。 「大奦 は、打てば響くように結果を返してくれる。 自然にはまだまだ びしろがあると感じます。それを 引き出すのが科学の力。期待も大きくプレッシャーも ありますが、職場はとてもいい 囲気で、それがプラ ス効果を生んでいると思います」。

  墴が続けます。「目に見えない微生物が、私た ちの想像もできないような大きな力を持っているこ とに、日々驚きながら、学んでいます。化学産業は 今 りある資源を使っていますが、生体触媒技術 を使うことで、循環型の化学産業へと進化させら れる。それがやりがいでもあり、夢でもあります」。

触媒科学研究所 生体触媒技術ユニット

子  三井化学は、2007年にバイオコンソーシアムを立ち

上げ、国内外の幅広い大学・研究機関や企業との共同研 究・開発を進めています。外部との幅広い連携も活かし、 生体触媒技術、次世代発酵技術を発展させていこうとい うねらいです。

 「2007年に策定したグランドデザインの柱のひとつは、 『非化石原料活用技術の開発』。現在の化学製品の原

料は石油などの化石資源で、いつかは するものです。 バイオコンソーシアムは化石原料に頼らない化学製品づ くりのために必要な技術を、総合的に開発するために立 ち上げたものです。生体触媒技術は、その中の重要な位 置を占めており、非化石かつ非可食の資源から有用化学 品を製造することを目的としています」(和田)

 同じ生体触媒技術ユニットの 墴 子は、植物由来の セルロースから様々な化学品のもとになるグルコースをつ くるプロセスを研究しています。 材など非可食の原料を 利用することで、食料との競合を避けることができます。「こ の技術には酵素法を使います。セルロース俅化酵素(セル ラーゼ)をつくる微生物から取り出した酵素を組み合わせ、

食料と 合しない

セルロース由来の原料

循環型産業実現へトップを

生体 技術・4つの基盤

❶微生物探 有用 侊子導入・不用 侊子

素性能向上 発 の最適化

微生物

有用 素

有用 素をつくる 侊子を導入

不用 素 をつくる

侊子を

有用 素の量的・質的向上

発 で 絋

❶微生物探

微生物

有用 素

(14)

進捗報告1 化学的CO

2

固定化

生産・技術本部 生産技術センター ケミカルプロセスユニット 主席研究員

松下 達己   三 井 化 学では( 財 )地 球 環 境 産 業 技 術 研 究 機 構

(RITE)のCO2固定化プロジェクトに参加し、CO2と水 素からメタノールを合成する触媒の開発を続けてきまし た。2009年には大阪工場内に実証試験プラントを建設 し、排ガスに含まれるCO2を原料としたメタノール合成 技術の実用化に向けた運転を開始しています。

 実証試験の目的のひとつは、純粋なCO2でなく実際の 工場排ガスを使うこと。NOxなど様々な成分も含まれる 中からCO2を分離精製して原料に使います。もうひとつ は工業化レベルの使用に耐えうる触媒を実現することで した。

 「本当にメタノールができるのだろうかとおっかなびっく りでしたが、想定した品質のものができました。ひとつの 山をクリアしたと考えています」と、語るのは実証試験プラ ントの建設・運転を総括している生産技術センター主席 研究員の松下達己です。とはいえ、試験は決して順調だっ たわけではありません。当初はトラブル続きで、安定的な 連続運転ができず「焦った時期もあった」といいます。同時 に、新たな課題も見えてきました。「思ったより電気や蒸気 を使っています。エネルギー収支まで見てトータルでCO2 が削減できなければ、このプロセス自体が成り立たなくな る。しかし、そのための条件も明らかになってきました」。

 「これらの課題をクリアするため、2010年度は既存技

術にさらに革新的な技術をプラ スして、省エネ化を進めていく計 画です。そして水素の確保。現在 工場から排出された副生水素を 精製して使っていますが、これも まずはコークス炉などの副生水 素をそのまま使えるようにするな ど、水素源の幅を広げることに取 り組む予定です」(松下)  将来的には太陽光などの自然

エネルギーを使った水の分解によって水素を得ることが 目標です。そのために光触媒などの開発も進めています。 つまり、CO2と水からメタノールができることになります。 松下は期待を込めて語ります。「このプロセスからはメタ ノールとともに水ができます。その水から水素を発生さ せれば、カーボン+水の究極のリサイクルが完成するわ けです。将来化石燃料が不足したときにも化学原料や燃 料が得られるという面で画期的です」。

 2009年の発表以来反響は大きく、海外からの視察申 し込みも相次いでいます。

 「実用化に向けては2010年度が勝負の年。これまでの 技術でも『できた』といえるとは思いますが、それをもう一 回りよくするための改造を加えます。同時に、数十万トン クラスの工業化プロセスの設計も始めます」。CO2源のあ るところが有利なのか、水素源のあるところがいいのか、 それとも自然エネルギーが豊かな場所か……。三井化学 は、究極のリサイクルに向けて様々な部門が連携し、ビジ ネスモデルの検討にも着手し始めています。

実用化に向けてひとつの山をクリア

2010年は工業化プロセスの設計、

ビジネスモデルの検討へ

CO2から化学原料となるメタノールをつくる。従来の常識をくつがえす新技術の実用化を目指して、実証プラントが稼働 してから1年。“究極のリサイクル”に向けて大きな成果を得るとともに、取り組むべき新たな課題も見えてきました。

化学的CO2固定化の概念

高活性 開発済

CO2

分絲・偀 メ合成ール 水素調達

H2O

O2

開発中

※RITE「化学的CO2固定化プロ クト(1990〜1999年:NEDO委託事業)」

 の共同研究開発成果。

CH3OH

フ ン類、 ロ 類

CO2 H2

(15)

進捗報告2 植物由来ポリウレタン

光合成

資源利用 CO2の

収固定

加工 大気への 再配出

ンフ ー (バイ ン)

ポ ール

植物資源

燃焼

CO2 H2O 太陽

 自動車のシートクッションや内 装材、断熱材、寝具など幅広い 用途に使われるポリウレタンは、 ポリオールとイソシアネートを原 料につくられます。そのうち、ポ リオールの一部をトウゴマの種子 (蓖麻子)からとれるひまし油の 成分に置き換えたポリウレタン製 のシートクッションが、「プリウス」

2009年モデルの運転席に採用されました。

 この植物由来シートクッションは、トヨタ自動車(株) 様、トヨタ紡織(株)様、三井化学の3社の共同開発によっ て完成したものです。次世代プリウスの運転席に搭載す る方針は2006年に示され、その後の一年が「密度の濃い 一年だった」と、ウレタン事業本部で植物由来ポリウレタ ンの開発に取り組む鵜坂和人は振り返ります。

 「植物由来ポリウレタンは石油系に比べて低反発です が、シートクッションには高反発性のほか、高耐久性と官 能評価が求められます。官能評価は乗り心地に関するも ので数値ではなかなか明示しにくい項目もあり、何度も 試験を重ねては改良を加えてきました。そして官能評価 の点数が次第に上がっていき最終的には、『これまでより 乗り心地がよい』という高い評価をいただき課題を乗り越 えることができました」。

 「自動車シートクッションとして実用化された植物由来 ポリウレタンは世界初です。まだ植物成分の比率は15% 程度ですが、この比率をもっと高めていきたい。将来的に はイソシアネートも植物由来にできれば、100%植物性 でカーボンニュートラルによる再生可能なポリウレタンが できあがります」(鵜坂)

 原料のひまし油は非可食であり、食料との競合という 面でも問題が少ない資源です。「ひまし油は品質にばらつ きが少なく安定していて、使いやすい素材です。従来から 塗料や接着剤に使われていたものに注目しました」。

 三井化学は、シートクッション以外の用途開発にも取り 組んでいます。低反発性を活かした寝具や、建物・冷蔵庫 などの断熱材としても有望です。「省エネルギーにつなが る断熱材が植物由来になれば、使用時にも環境に貢献で きます。今はまだ石油系に比べて高コストですが、用途が 広がり生産量が増

えればもっと安く 提供できるように なります」と、鵜坂 は語ります。

厳しい官能評価試験を乗り越えて

高品質を実現

100%植物由来にも挑戦、

用途拡大にも取り組む

三井化学が取り組んできた非化石・非可食原料開発の成果のひとつ、植物由来ポリウレタンが トヨタ自動車(株)の環境対応車「プリウス」などのシートクッションとして実用化されました。

 トヨタ自動車ではエコプラスチッ クの使用を通じて地球温暖化の大 きな要因とされるCO2削減に取り

組んでおります。自動車シートとい う性格上、機能性、安全性を求め られる物性を満たした上で、植物 由来成分を導入することは難しい ことですが、三井化学、トヨタ紡織 と共同開発したバイオウレタンは 自動車用シートクッションとしては 植物度15%という世界最高水準

の高い植物度を達成しました。2009年度はプリウス、レクサス HS250h、SAIに採用し、今後もコストダウンを図りながら採用 を拡大していきたいと考えています。自動車メーカーをめぐる 環境は厳しさを増しておりますが、素材メーカーには、今後も、 人にも地球環境にも優しい素材開発を通じて、お客様にうれし さを提供できるような製品開発を期待しています。

カーボンニュートラルの考え方

植物栽培中のCO2固定 量と植物燃焼時の排出 量は同量と見なすため、 双方のCO2量をゼロカ ウントとする。 ウレタン事業本部

ウレタン開発部 主席研究員

鵜坂 和人

トヨタ自動車株式会社 車両材料技術部 有機材料室長

間瀬 清芝 氏

VOICE

(16)

 三井化学は、2007年に策定した長期ビジョン「グラン ドデザイン」の実現を目指して、2008年後半からの世界 金融危機による経済不況という環境激変に対して、国内 での勝ち残りと海外での事業拡大に向け、主要戦略の見 直しを行いました。

 グランドデザインとは、三井化学グループの経営の基 本骨格のことで、「経営ビジョン」「経営計画」「行動指針」 で構成されています。

新たな成長軌道に向けて

長期ビジョン「グランドデザイン」の実現を目指し、環境変化を乗り越えて積極果敢に挑戦します。

Web

サイト >> 経営計画(グランドデザイン)

会社情報

関連情報

三井化学グループのグランドデザイン(経営の基本骨格)

グランドデザイン

 「経営ビジョン」においては、企業グループ理念と目指 すべき企業グループ像を示し、 「経営計画」においては、 2015年近傍で達成すべき長期経営目標として「収益目標 (経済軸)」「環境目標(環境軸)」「社会目標(社会軸)」

それぞれに具体的目標を立てて取り組んでいます。また 「行動指針」により、誠実に行動し、さらに人と社会を大

切にし、夢のあるものづくりに取り組みます。

 このグランドデザインに基づき、経済・環境・社会の3軸 のバランスのとれた経営を実現し、持続的に発展できる 企業を目指します。

行動指針

期経営計画(予 )

企業

グループ

理念

目指す

企業グループ

中期経営計画

長期経営目標(2015年近傍)

・経済 ・環境 ・社会

事業ポートフ

地球環境との調和の中で、材料・物質の 革新と創出を通して高品質の製品とサー ビスを顧客に提供し、もって広く社会に 貢献する。

「化学」「革新」「夢」の三井化学 〜絶 革新を追求し、化学のちから で夢をかたちにする企業グループ

(17)

経営とCSR

Web

サイト >> “新たな成長軌道”に向けた取り組み  >> 3軸経営の進捗状況

CSR(環境・社会)報告▶経営とCSR新たな成長軌道に向けて

関連情報

 当社では、2008年後半からの厳しい事業環境の中、 環境変化へのスピーディーな対応により収益を回復さ せ、“新たな成長軌道”に乗せるため、2009年10月末に 主要戦略を見直しました。

 その中で、「新たな成長戦略」 「事業基盤強化」 「マーケ ティング力強化」を掲げて、ピンチをチャンスに変えるべ く、全社員一丸となって取り組んでいます。

3軸経営の進捗状況

2009年度実績 2010年度計画 2015年近傍(グランドデザイン)

経済軸

(収益目標)

●営業利益:△95億円 ●営業利益:350億円 ●営業利益:1,500億円以上

●ROA:10%以上

環境軸

(環境目標)

●GHG*1原単位指数の改善

 ①省エネルギー対策による   GHG削減量 26万t  ②GHG原単位指数 90

●GHG原単位指数の改善

 ①省エネルギー対策による   GHG削減量 5万t以上  ②GHG原単位指数 ≦83

●GHG原単位指数:90以下(1990年度比) ●産業廃棄物埋立量:1%以下(ミニマム化) ●その他:非化石原料活用技術開発

社会軸

(社会目標)

●労働災害度数率*2 (休業)0.37

(休業+不休業+微傷)2.3

●法令・ルール遵守:違反ゼロ

●労働災害度数率:

(休業)0.15以下

(休業+不休業+微傷)1.8以下

●化学物質総合管理体制構築:

基本計画策定

●労働災害度数率:

世界最高の労働安全水準

*1 GHG:Greenhouse Gasの略。太陽からの熱を地球に閉じ込め、地表を暖める働きがある温室効果ガス。 京都議定書では、CO2、CH4、N2O、HFC、PFC、SF6がGHGと定められた。

*2 労働災害度数率:労働災害被災者数×100万時間/全従業員の合計労働時間。

経済軸 ● 確実な黒字定着

環境軸 ●   原単位指数の改善GHG(温室効果ガス)

社会軸 ● 事故・労災の撲滅化学物質総合管理体制の構築

3軸経営における重点課題

環境変化 の

ーな対応

ー ング力強化 徹底的な拡

新たな ジ ル

構築 事業基盤強化

国 的な

コ ト 力の強化

新たな成長戦略 優位事業のグローバルな拡大

持続可能な発展のた の高 加価 事業の拡大 地球環境との調和を う新製品・新事業の創出

“新たな成長軌道”に向けた取り組み

 2010年度は、“新たな成長軌道”への発射台とする「勝 負の年」であり、企業としての存亡をかけ、黒字の定着化 を目指しています。

 これに向け、「経済」「環境」「社会」の3軸経営で、重点 課題に全力で取り組んでいきます。

2010年度の経営課題

(18)

CSRで目指すもの

 私たち三井化学グループがCSRの推進を通して目指すのは「いい会社」の実 現です。社会の皆様から信頼され、必要とされる会社。社員が誇りを持って働 ける会社。そんな「いい会社」の実現に向けて日々考え行動することがCSR推 進であると考えます。

 「経済軸」「環境軸」「社会軸」それぞれの目標を経営目標に組み込み、3軸バ ランスの取れた経営を行うことで、社会と企業双方の持続的発展を目指してい ます。(参照:P17「3軸経営の進捗状況」)

CSR重点課題の設定

 2010年度より「『いい会社』を実現するために今何をなすべきか」をCSR重 点課題として明確化し、全社を挙げて取り組みます。

①安全最優先文化の徹底

 「世界最高の労働安全水準」を目標に取り組んできましたが、残念ながら2009 年度は事故、労働災害ともに目標を大きく下回る結果となってしまいました。  安全は「いい会社」であるための基盤となるものであり、これなくして社会の 皆様から信頼を得ることはできません。全社を挙げて「事故・労災の撲滅」に向 けて取り組みます。(参照:P6「下関三井化学 三フッ化窒素充填場事故報告」、P26-27 「安心・安全の取り組み」)

②環境経営への取り組み強化

 化学産業は、CO2排出などをはじめとした環境への負荷が大きい一方、この 問題を抜本的に解決する技術を持った企業として世界的な期待も大きいと自 覚しています。

 「化学会社としての強み」を発揮し、製品を通した環境負荷低減、そして化学 技術を活かした低炭素技術の開発と確立に重点的に取り組みます。 (参照:P10-11「三井化学グループの環境配慮型製品」、P14「進捗報告1 化学的CO2固定化」) ③社会・お客様とのコミュニケーション強化

 お客様、そして社会に求められる企業であるために、当社がステークホル ダーから何を期待されているのかを十分に把握することが重要です。そのため に、基本となる「コミュニケーション」を改めて見つめ直し、全社を挙げて信頼 の獲得に取り組みます。

三井化学グループのCSR

「いい会社」になること。そのために、社会に求められる「いい会社」とは何かを考え、行動し続けること。 それが私たち三井化学グループのCSRです。

Web

サイト >> CSRで目指すもの  >> CSR重点課題の設定

CSR(環境・社会)報告▶経営とCSR三井化学グループのCSR

関連情報

「いい会社」に向けたアプローチ図

各職場を主体とした「夢トーク」活動

「何をなす か」を 緫、行動

「いい会社」

社会の求 る 価 佞

経済軸

社会基盤、 社会発展に 資する 活動

社会軸

「いい会社」実現の基盤

(安全、環境保全、コンプ イ ン 、 ク管理、内部統制、企業風侣、

行動指針など)

環境軸

社会が期 する環境 の

取り組み

(19)

経営とCSR

Web

サイト >> 「いい会社」への推進体制  >> CSRサポーター

CSR(環境・社会)報告▶経営とCSR三井化学グループのCSR

関連情報

「いい会社」への推進体制

 CSR委員会(委員長:社長)は、前述のCSR重点課題をはじめ、三井化学グ ループのCSR推進に関する方針、計画を立案、審議します。このCSR重点課 題に基づき、全社各ライン組織がそれぞれの計画を立て、その実現に向けて行 動します。

 また、CSR委員会のもとにレスポンシブル・ケア委員会、リスク・コンプライア ンス委員会を設置し、各分野における活動を全社横断的に統括し、最適化を図 ります。

 各事業所、支店、関係会社にはCSR担当部門を置き、グループとしての連携 を強めつつ、各拠点の特性を活かしたCSR推進に取り組んでいます。  なお、環境変化に対応したより迅速な組織行動を目指し、これまで設置して いた社会活動委員会および社会・環境本部を廃止しました。社会貢献活動に ついてはCSR推進部のライン業務として、引き続き「当社らしさ」を活かした活 動を推進していきます。(参照:P25「社会貢献活動」)

いい職場の総和はいい会社〜「夢トーク」

 「いい会社」の姿は各部門組織のパフォーマンスの総和により実現されるも の。当社グループでは、各ライン組織が主体となって「いい会社であるために自 分たちは今何をなすべきか」について議論し、行動するためのディスカッション 活動「夢トーク」を展開しています。

 また、各組織において、ライン長・部下間、そして同僚間の“タテヨコ”の忌憚 ない「双方向コミュニケーション」を円滑に推進するため、「CSRサポーター」 を選任しています。CSRサポーターとは、ライン長からの「伝達・指示」に偏り がちな組織内コミュニケーションを「双方向」化するためのコミュニケーション リーダーで、当社グループ各職場におい

て400名以上の社員が活躍しています。

CSR推進体制

北海道三井化学での夢トーク

社 長

CSR 員会 経営会 CSR

推進部

本社各部(CSR推進部) 工場 (総 部CSRグループ)

研究所 (総 グループ CSR ー )

支侂(総 部) 関係会社(CSR )

CSR ポー ー

行動指針の3つの柱

三井化学グループ 行動指針の3つの柱

私たち、三井化学グループの役員、 社員一人ひとりは、ステークホル ダーへの貢献を通じて社会と企業 の持続的発展を実現するため、

「誠実に行動」します

「人と社会を大切に」します

「夢のあるものづくり」を目指します

(20)

コーポレート・ガバナンスの考え方

 社会的信頼を確保し、企業の社会的責任を果たすために、常に経営の透明性 を向上させることを基本としています。重要な意思決定にあたっては、社則に基 づき設置された諸会議を通じて、広く議論を行う体制を整えるとともに、社外取 締役の選任、監査役機能の重視などによる内部統制システムを構築しています。  社外に対しては、IR活動、広報活動に積極的に取り組み、株主、報道機関な どへの適時適切な情報開示に努めることで、コーポレート・ガバナンスの実効 性の確保を図っています。

リスク管理体制

 当社グループは、株主の皆様、お客様、地域の方々などステークホルダーの 信頼を確保し、企業の社会的責任を果たすため、経営活動の脅威となり得るす べての事象についてリスク管理の徹底を図っています。

コンプライアンス教育

 コンプライアンスの推進には、自らが守らなければならないという意識と、守る べき法令・ルールの知識を一人ひとりに徹底することが、必要かつ重要です。当 社グループでは、意識面の「コンプライアンス意識教育」「法令・ルール違反事例 職場ディスカッション」、知識面の「法令・ルール遵守教育」、社員が常に参照でき る「コンプライアンスガイドブック」という、4つの手段で徹底を図っています。

法令・ルール違反事例 職場ディスカッション

 当社グループでは、法令・ルール遵守意識の向上および上司とのコミュニ ケーション強化を目的に、自社や他社で起こったコンプライアンス違反事例を 題材に、その発生原因、再発防止策、自職場でも同じ問題が生じないかなど、 職場ごとに話し合いを実施しています。

法令・ルール遵守教育

 社員が知っておくべき重要な法令を15科目取り上げ、「法令・ルール遵守教 育」を実施しています。各社員には、自己の業務内容に応じて受講すべき科目 が決められており、必要な事項について最新の知識を有するようにしています。 2009年度の受講者数は、のべ約12,600人でした。

マネジメント体制

三井化学グループは、株主の皆様、お客様、地域の方々などステークホルダーの信頼を確保し、

企業の社会的責任を全うするため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要な基盤と考えています。

Web

サイト >> コーポレート・ガバナンス  >> リスク管理体制  >> コンプライアンス教育

CSR(環境・社会)報告▶経営とCSRマネジメント体制

関連情報

コンプライアンス意識教育では、単なる 講義だけではなく、グループにわかれて 行う具体的事例のディスカッションなど の実際的な内容のプログラムを実施し ています。

コンプライアンス意識教育

(21)

経営とCSR

Web

サイト >> レスポンシブル・ケア  >> RCマネジメント・システム

CSR(環境・社会)報告▶経営とCSRマネジメント体制

関連情報

 三井化学グループは、「地球環境との調和の中 で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品 とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献 する。」との企業理念のもとに事業活動を展開して いきます。

 そのためには、三井化学グループ行動指針を踏 まえ、お客様重視とともに、法令・ルールの遵守、環 境の保全と安全の確保が経営の基盤であるとの認 識にたち、「環境」、「安全(保安防災、化学品安全、 労働安全)」、「労働衛生」および「品質」について、以 下の基本方針で取り組みます。

1.環境

● 新しい技術・製品の開発により環境保全に 貢献します。

● 製品の開発から廃棄までの全ライフサイク ルにわたる環境負荷について、その影響を 評価し、低減に努めます。

2.安全、労働衛生

● 安全確保を最優先とし、無事故・無災害を目 指します。

● 適正な職場環境の形成の促進及び社員の 自主的な健康確保の支援をはかります。

● 化学物質の取り扱いに関する安全を確保 し、社員はもとより、工事及び物流関係者、 お客様等関係する人々の健康障害の防止を はかります。

3.品質

● お客様が、その用途について安心して使用 し、満足し、信頼する品質の製品とサービス を提供します。

4.自主管理の推進

● 関係法令や規制を遵守することはもとより、 レスポンシブル・ケアの精神に則り自主管理 する環境、安全、労働衛生及び品質の継続 的改善に努めます。

1997年10月1日制定 2006年 4月1日改正

*1 RC:レスポンシブル・ケア(Responsible Care)とは、化学物質を製造または取り扱う業者 が、自己決定・自己責任の原則に基づき、化学物質 の全ライフサイクルにわたり、社会の人々の健康と 環境を守り、設備災害を防止し、働く人々の安全と 健康を保護するため、対策を行い、改善を図ってい く自主管理活動です。詳細は日本レスポンシブル・ ケア協議会のホームページをご覧ください。 http://www.nikkakyo.org/organizations/ jrcc/index.html

*2 PDCAサイクル:Plan( 計 画 )-Do( 実 行 ) -Check(評価)-Action(改善)のプロセスを継続的 に繰り返すこと。

環境、安全、労働衛生 及び品質に関する基本方針

RCマネジメントシステム

 当社グループは、RC*1を経営管理のひとつの柱に位置 付け、環境保全、保安防災、労働安全・衛生、化学品安全、 品質、物流安全および社会とのコミュニケーションの各分 野で推進しています。

 これまでは、環境保全、保安防災、労働安全、品質を重視

し対応してきましたが、環境保全、化学品安全については、今後国内外の規制 が厳しくなる傾向にあり、新たな技術・事業に関連する外部リスクが大きくなる ことが考えられます。特に、「化学品安全」の管理体制・仕組みを強化する必要 があります。

 そこで、2009年度より、「化学品安全」の枠を超えた「化学物質総合管理体 制」(参照:P22「三井化学の目指す化学物質総合管理」)の構築に取り組んでいます。

RC監査

 当社グループは、RC活動のPDCAサイクル*2を確実に回し、活動のレベルアッ プを図っています。国内製造拠点、研究所および国内外関係会社に対して、RC 活動が着実に実行されていることを客観的に評価し指導するために、RC監査を 毎年行っています。国内外のRC支援対象会社に対しては、関係会社の所管事 業部とレスポンシブル・ケア部、人事部の協働で、環境安全衛生管理点検チェッ クリストによる評価、関係書類および現場の確認を行い、RC活動の実態把握・指 導を行うとともに、全社的な見地からRC活動のレベルアップを図っています。  2009年度には国内製造拠点6工場および研究所、国内外関係会社44事業 所のRC監査を行い、RC活動レベルの向上を図るとともに、重要な法規則の違 反がなかったことを確認しました。

 また、当社では全社重要課題として法令遵守に積極的に取り組んでおり、法 令遵守の徹底を図るべく工場運営に重要な関係法令(高圧ガス保安法、消防 法、毒物及び劇物取締法など)に係わる監査を実施しています。また、検査管 理組織による高圧ガス認定の検査管理監査を実施し、自主保安の推進に努め ています。

 2009年度からは化学品の安全管理に関する法令遵守状況の監査を新たに 開始し、いずれの監査においても重要な法規則に違反するものがないことを確 認しました。

レスポンシブル・ケア®

(22)

お客様とともに

製品の品質保証

 当社グループでは、お客様に満足していただける製品とサービスを提供する ために、本社の品質保証部と工場の品質保証グループが一体となって品質保 証の業務を行っています。

 品質保証部では、2009年度に品質マネジメントに必要な社則を補強し、ま たワークフローシステムを追加構築しました。これらにより全社共通のシステ ムで納入仕様書に基づく顧客要求事項の明確化、品質に関わる変更管理の確 実な運用などに対応しています。

 海外を含めた当社グループの関係会社への監査・指導を通して品質マネジ メントレベルの向上のための活動も行っています。2009年度に監査プログラ ムの改佦を行い、グループ全体の改善が進められるようになりました。  また、品質マネジメント、品質管理手法とコンプライアンスに関する品質教 育、製品含有化学物質情報の管理のデータベースの整備を進めました。

お客様からの 情への取り組み

 品質保証部が中心となり、本社と工場において関係部署との協力体制をし き、 情処理の迅速化、真因の把握、対策の当社グループ全体への水平展開 を行うことにより、再発防止および未然防止に努めています。

 2010年度からクレーム・コンプレインの管理手法に改良を加えることになり ました。これにより、現場への展開をより確実に行い、いっそうの品質トラブル の削減を進め、お客様の満足の向上を目指します。

「化学品安全」から「化学物質総合管理」へ

 当社は、国際化学工業協会協議会が策定した「レスポンシブル・ケア世界 」 への支持を2008年8月に表明し、より強力に化学物質管理を推進しています。  2009年度は、「化学品安全」の枠を超え「化学物質総合管理」に向けた新た な体制構築への準備を始めました。当社が目指す「化学物質総合管理」は、製 品の開発から廃棄に るライフサイクル全体を通して、製品のリスクを適切に マネジメントすることによって、お客様に安全と安心を提供するものです。  2010年度は持続可能な発展に向けた「化学物質総合管理」の長期的な基 本方針を策定し、製品の環境配慮度の「見える化」、および製品の安全性情報 を公開するとともにステークホルダーと相互理解を図るための活動を積極的 に推進します。

ステークホルダーとともに

三井化学グループは、社会と企業との持続的発展を目指して、

様々なステークホルダーとの関わりを念俓に事業活動を展開しています。

Web

サイト >> 製品の品質保証  >> 化学品・製品の安全性の確保

CSR(環境・社会)報告▶社会とのかかわりお客様とともに

関連情報

三井化学の目指す 化学物質総合管理

品質マネジメントシステム

の概要

原料調達先

お客様

購買

開発

製造

M S D S C S R

法 制対応 製品情報の一元管理

開発

製造

物流

使用

最 使用

廃棄

お客様

製品の イフ イクル

開発

製造

物流

使用

最 使用

廃棄

客 足 要求事項

研究・開発 販売

製品

調達 物流

製造 お客様

苦情処理

品質規格の決定

納入仕様書の締結

品質管理状態の監査

出荷の承認

品質に関わる変更の承認、 品質問題の未然防止と再発防止 情処理

品質規格の決定

納入仕様書 の締結

品質管理状態の監査 出荷の承認

品質に関わる 変更の承認、 品質問題の未然防止と

再発防止

品 質 保 証

検査 研究・

開発

調達

製造 検査

物流

製品

参照

関連したドキュメント

To understand the writer’s understanding of this period in Shanghai, this article attempts to consider Hayashi’s realistic narrative style, analyze the scenery of Shanghai in war and

カウンセラーの相互作用のビデオ分析から,「マ

operativesMovementandUleforlnationoftheNalionalHealthlnsuranceSystemTheresearch onthehistoryofthefOrmationoftheNationalHealthlnsuranceSystemhasibcusedonlyonthe

大正デモクラシーの洗礼をうけた青年たち の,1920年代状況への対応を示して」おり,「そ

Although he was the owner of a geigi shop (Okiya) Yamatoya in Minami-ku, Osaka (currently Chuo-ku), he and his wife Kimi Sakaguchi, established the five-year. “Yamatoya Geigi

BIGIグループ 株式会社ビームス BEAMS 株式会社アダストリア 株式会社ユナイテッドアローズ JUNグループ 株式会社シップス

三洋電機株式会社 住友電気工業株式会社 ソニー株式会社 株式会社東芝 日本電気株式会社 パナソニック株式会社 株式会社日立製作所

(公財) 日本修学旅行協会 (公社) 日本青年会議所 (公社) 日本観光振興協会 (公社) 日本環境教育フォーラム